Rosy Baroque

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渋 谷にあるヴィンテージショップ、rosy baroqueに通い詰めて6年経つが、恐らく私のワードロープの80%はこの店で購入したものである。今では新品の服に全く魅かれなくなってしまった。 この店に来ると気付かない内に何時間も過ごしてしまうのは、いつもそこが新しい発見とインスピレーションに溢れているからである。

ここの洋服達はまるで アートワークのように個性と主張を持っているため、こちらもそれなりの態度でその個性と立ち向かわなければ洋服に自分が着られてしまうのである。それらは 見る人、着る人をインスパイアさえする。

実際、Stella MacCartoneyやJill Stuart, Anna Sui, Vivian Westwoodの息子Joseph Corre等の海外有名デザイナー、著名人も来日するとこのショップを訪れたり、Louis Vittonが毎年発行するCity GuideのTokyoバージョンのファッション覧にも掲載される程、そのクオリティは巷に溢れる古着屋と一線を画する。

ほ とんどの東京の古着屋ではまるで秋葉原の電気屋の様にあらゆるテイスト、サイズ、状態の商品が一緒くたにされている事が殆どであるのに対し、rosy baroqueではそのアイデンティティである”甘く官能的”な世界観から1ミリでも外れる商品は全く扱われていない。そのディープな空間に一歩入った人 は、すぐにドアから出たくなるか、もしくはその世界から抜け出せなくなるかどちらかである。

ま たrosy baroqueセレクションは徹底して日本人のサイズ、好みに合ったもの、状態が良いもののみが選ばれている。その意味では西洋的なラインナップでありつ つもヨーロッパ、アメリカのヴィンテージショップとも異なる。

是非一度足を運び、好きな一着を試着することでそのセンシュアリティを肌で感じてみて欲し い。その洋服個性と自分の個性との融合によって生まれる新しい個性を発見することになるであろう。

執筆:大山瑞生

翻訳:Sam Mokhtary

2010年12月17日