The Drums – Portamento

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デビューアルバム「The Drums」から約1年3ヶ月。The Drumsの2ndアルバムが遂に産み落とされる。

先日NYタイムスのサイトでの全曲ダウンロードがワールドプレミアとなった「Portamento」は言わずもがな、発売前から既に話題を呼んでいる。その1度聴けば口ずさめるキャッチーさとスカスカなポップサウンドで日本のポップ/ロックファンをすぐに虜にしてしまった彼ら。この「Portamento」でも相変わらずの超軽量でドリーミーな”朝もやサウンド”を聴くことが出来るが、楽器それぞれの音の表面がやすりをかけた様に滑やかに感じられる。その為か、音の重なりに奥行きが生まれた様だ。個人的に気になるのは、前回シンセとギターで作っていたベース音を今回はどうしたのかという事。聴く限りでは普通のベースなのだが・・・

浮世離れしたイメージだった「The Drums」に対し歌詞においてはかなりシュールな一面が垣間見える、よりリアリスティックなものになっている。しかし、ポップソングのオンパレードから憂鬱な世界に引きずり込まれる流れを持った前作に対し、全編を通しての80年代のFactoryバンドの様なジメッとしたムードはあるものの、ほとんど楽観的なメロディーやポップなフレーズを携えた曲ばかりで構成されている。歌詞の世界とサウンドとの対比が面白くもあり、逆に奇妙な不気味さも覚える。もしかすると彼らはあまり意図してないのかもしれないが、アルバムのアートワークといい、先行シングル「Money」のPVといい、何やらダークな一面を描き出しているのは確かだ。



デビュー当初から脚光を浴び、ギタリストの脱退と1年3ヶ月のインターバルを経てのアルバムリリースとあっては、彼らにかかるプレッシャーも小さくはなかっただろう。しかし近作で彼らは、こちらのそんな懸念も一蹴する成長ぶりを見せてくれた。それは、アルバムを聴き始めてすぐに分かる程のものだが、同時に彼ららしいマイペースなものだった。

個人的には彼らのようなバンドこそ、荒削りで遊び盛りな時代をもう少し長く楽しみたかったような気もするが、新しいThe Drumsの姿を前にすると単に自分が追いついていないだけだという事に気づかされる。彼らを見ているとバンドは生き物なのだと再確認させられる様だ。「僕らはこれでいこう」アイデンティティを失わないこと。それがThe Drumsのかっこ良さなのかもしれない。

The Drumsの「Portamento」 日本では9/14発売
The Drumsのオフィシャルサイト
日本公式サイトはこちら

執筆:城本 早苗

翻訳:Sam Mokhtary

2011年9月10日