今年、ロンドンを拠点とするダブ・ミュージックのレーベルOn-U Soundが30周年を迎えることになる。そして、今回レーベルの社長でありプロデューサーでもあるAdrian Sherwoodがチームを従えてはるばる来日、渋谷の中心街に最近オープンしたばかりのスーパークラブVisionにて12月9日、スペシャル・ライブが開かれる。
Sherwoodは1981年、ロンドンで立ち上げられ、ファンク、パンク、レゲエとさまざまなバック・グランドを持つアーティスト達のダブ作品を手掛けてきた。On-U Soundからリリースされた代表的なアーティストとしては、Asian Dub Foundation、Pop Groupの, Mark Stewart 、New Age Steppers、 Tackhead (Sherwood自身も参加)、 Dub Syndicate、 African Head Charge そして日本からは Audio Activeなどが挙げられるが、Audio Activeはアルバム”Tokyo Space Cowboys”で UKチャートにもランク・インしている。これらのアーティストを集結させたことでOn-U Soundは、レーベルというよりも、コレクティヴのような存在になっている。所属アーティスト達が互いの録音を用い合い、その共鳴によってこれぞ”On-U”と呼べるサウンドを生まれているのだ。また、伝説的レゲエ・スターPrince Far I、 Mikey Dread と Bim Shermanから成るSingers and Playersがいい例であるように、このレーベルのユニットはもともと独自に活躍しているミュージシャンが組んで結成されたものが多い。ここだけの組み合わせによって、Sherwoodのアーティストが有名になるだけでなく、ユニークなコラボを企画するクリエイティヴな母体として、レーベルそのものの地位も確立されているのだ。
Sherwood はレゲエという領域を超えた、数多くのビッグ・ネームのディスクを手がけ、常に最先端を走ってきた。中でも、Primal Scream、Depeche Mode、Sinead O’Connor そして Nine Inch Nailsの成功は特出している。また、彼自身のDJ作品のその完成度も特筆に値する。重低音がリードするコンテンポラリーなダブ、オリジナル・ルーツ、レゲエ、ダンス・ミュージックを見事に掛け合わされており、その一つ一つにダブ処理がされ、リバーブやディレイ、エフェクトの不協和音を生み出すのだ。このスーパー・セッションにはSherwoodが2枚のアルバムとシングル”Free the Marijuana”を手掛けたAudio Active、そしてダブ・バンド、Dry & Heavyで歌ったこともあり、斬新なインストルメンタル・エレクトロのアルバム “Arrow”を12月7日にリリースする井上青も参加予定。
執筆:Sam Mokhtary
翻訳:小堤 明日香
2011年12月5日
