Tokyo IndieがHoshina Anniversaryを初めて知ったのは、GND Recordsから今年初めに発売された、休みなくエネルギッシュなトラック“Chicago”を聞いたとき。世界中のアンダーグラウンドミュージック界で大ヒットし、世界トップのDJたちから支持を集め、彼を一躍有名にしたトラックだ。Hoshina AnniversaryのスタイルとDJセットは、ジャッキング・ハウスミュージックの全盛期を思い出させる催眠術のようなダークさと、止まることのないビート、冷めたスタブシンセが特徴だ。Tokyo IndieがTrump Houseで5月に行ったイベントでDrums of Deathのサポートとして登場したこともあり、今回はじっくりとインタビューし、音楽の裏に隠されたHoshina Anniversaryという人物を探ることにした。
音楽を始めたきっかけを教えてください。
曲作りを始めたのは18才のとき。それまでは2、3年いろんなバンドでギターやベースを弾いていた。「The Policeのようなバンドサウンドで、Chick Coreaのようなキーボードが入って、Miles Davisの”Nefertiti”のような怪しい雰囲気も盛り込んだ音楽が聞きたい」と思って、でもそんな音楽は見つけられなかったので、自分で作ろう、それがキッカケだね。
作曲に使っているソフトウェア、ハードウェアを教えてください。
Logic Pro。もう8年くらい使っているんじゃないかな。実はLogicしか使えません(笑)。Live (ableton)とか触ったこともないです。
Hoshina Anniversaryの由来は?
名前を作ったのは2003~2004年辺りだったと思う。当時やっていたtバンドが解散したころで、新たにバンド的なものを始めようと思った。自分が中心になって、例えばJimi Hendrix Experienceみたいなノリでやろうと思ったので、Hoshina Anniversaryになった。別に”Hoshina”って入れる必要はなかったかもしれないけれど、当時はライブハウスで演奏する機会が多くて、友達が遊びに来てくれたときに
「HoshinaさんのやっているBand、、、名前なんだっけ?」
ってなっても困らないように”Hoshina”って付けたんだと思う。
Boys NoizeやA-TrakなどのDJが自分のトラックをプレイしていることに対してはどう思いますか?
Boys Noizeは、彼がBlock.fmでゲストだったときに、小泉今日子のHoshina Anniversary Remixを、たまたま聞いてくれて、気に入ってくれたんだよね。ただ、彼はHoshina Anniversaryの曲をDJではかけてないと思う。とにかく、気に入ってもらったのは光栄だけど、まだBoysnoize RecordsやBNR TraxでRemixを作ったり、リリースをしたわけでもないので、「これからもっと頑張ろう」というのがいちばん思うことだね。
A-Trakに関しては、youtubeに動画をアップしてくれた人もいて、最初見たときは凄く驚いた。
なにより、彼のPerformanceが完璧で、そして大勢のオーディエンスの前でああやって自分の音楽が鳴っているという光景は感動的だよね。その後もFacebookで、ヨーロッパの知り合いから
「今日、A-TrakがChicagoをかけていたぜ!」
ってメッセージを親切にくれる人が、2日連続でいてね。ただ、Boys Noizeと同じで、まだFool’s GoldでRemixやリリースをしたわけではないんで、といったところかな。
好きな日本の音楽プロデューサーは?
Shinichi Osawa、Shun&SMMY、Nuik、Kuniyoshi Hayashiかな。
自分の曲でいちばん好きな曲は? 好きな理由は?
GND Recordsから9月末にリリースしたVision EPの”Vision”。自分のDJセットにも組みこみやすいし、シンプルかな、と。
日本以外で演奏する予定は?
今年はないけど、来年は特にヨーロッパには行きたいと思ってる。ヨーロッパのプロデューサーの知り合いが増えてきたので、その人たちに会いたいしね。
今後の予定は?
今は依頼されたリミックスを数曲作っている。それから11月に新しいEPをGND Recordsから出す予定。そして、どんどん新しいトラックを作って、といったところだね。
執筆:Mark Birtles
2012年11月8日