参加者はひそかに願いごとをし、恐る恐る空を見上げ、「念のために」レインコートを用意してきた。そして今年のフジ・ロックではついに祈りが届き、フェスティバルの期間中、雨が降ることがなかったのだ。そればかりか、焼けつくような暑さで、参加したバンドはかんかん照りの日差しを浴び、気温は30度半ばまで上昇。会場はフジ・ロックというよりもサンフランシスコのBurning Man Festivalのようであった。週末を通し、苗場の絶好のロケーションの中、観客たちは数々の名場面とともに素晴らしいアーティストのパフォーマンスに酔いしれた。Tokyo Indieのセレクションによる3組の勝者(そして3組の敗者)を紹介しよう。
WINNERS:
James Blake ― 果敢にも自らをThe Very Bestと名乗るバンドが5時演奏した金曜日だが、James Blakeは一番の演奏は大トリに残されていることを再確認させてくれた。フェスティバルの大衆を70拍のテンポで虜にできるミュージシャンはなかなかいないが、James Blakeは観客を引き込むのにアップテンポを用いる必要はないということを証明してくれたかのようだ。
Che Sudaka ― この6人組のバンドを一目見るため、人ごみをかき分けてCrystal Palace Tentに着くと、すでに観客はアーティストの手中にあった。Gogol Bordelloの南アメリカ版とでも言おうか、彼らの演奏を聞きながじっとしていることなど到底無理で、すぐに底抜けの楽しさに身を委ねてしまったのであった。本当に最高だった。
日没時のWhite Stage ― このステージをプログラミングした人は本当に良い仕事をしてくれた。The Gossip Caribou とExplosions in the Skyは全く異なるアーティストだが、週末に昼間から夜へと移り変わる時間帯の観客の気持ちを切り替えるのにもとてもよく配置されていた。
中でも、山際に夕日が消えていく夕日を背景に歌われた “Sun”は特筆に値し、特別な思い出としてしばらく脳裏から離れないであろう。
LOSERS:
リストバンドの行列 ― もしイベントの規模拡大を目指すのなら、フェスティバルでどのように観客を入場させるか根本的に考え直す必要がありそうだ。リストバンドをチケットに交換するため駐車場で2時間近く待つ人々の長蛇の列・・・・。って、どうにかしましょうよ。
Liam Gallagher ― 筆者はできるだけ中立であろうとしているのだが、彼は自分をあまやかしすぎているように思えてならない。ステージ上でPretty Greenを自らプロモーションしたり、観客に向かって唸って見せたり、兄を愚弄したりとやりたい放題であった。
(兄の)NoelがOasisのカバーでいいステージを見せてくれたのが救いだ。
Radioheadの演出 ― 音楽は期待通り素晴らしかったのだが、フェスティバルの派手な演出となると、Chemical Brothersのようなバンドは何歩も先を行っている。高揚感ある雰囲気は良かったのだが、もっと大胆な仕掛けがあれば、ステージであればさらに盛り上がったことだろう。
我々のフォト・リポートで、Tokyo Indieがフジ・ロックで何を目にしたかぜひ確認していただきたい。
執筆:Mark Birtles
翻訳:Asuka O.
2012年8月2日
